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【レジリエンスな暮らし】建物のCO2排出量“見える化”が始まった——住宅の価値は「災害に強い」から「環境に強い」へ

公開日:2026/09/17(木) 更新日:2026/09/17(木) すべて社長お役立ちコラム

【レジリエンスな暮らし】

建物のCO2排出量“見える化”が始まった——住宅の価値は「災害に強い」から「環境に強い」へ

近年、住宅業界では 建物が生涯で排出するCO2量を見える化する動き が急速に広がっています。 建材の製造から運搬、建築、そして解体まで——建物はその一連の過程で多くのCO2を排出します。

この生涯排出量は LCCO2(ライフサイクルカーボン) と呼ばれ、 その環境負荷を評価する仕組みが LCA(ライフサイクルアセスメント) です。

国はすでに、

  • 2028年度:延べ床面積5000㎡以上の非住宅で算定義務化

  • 2030年度以降:住宅にも段階的に拡大

という方針を示しており、住宅業界は大きな転換点を迎えています。

 

■ 建物のCO2排出量は「国全体の4割超」

国交省のデータによると、 日本のCO2排出量の 4割以上が建物由来 です。

内訳を見ると、

  • 建物使用中の排出:30%以上

  • 建材製造などの上流工程:約10%

と、建物は「建てた後」だけでなく「建てる前」から環境負荷を生み続けています。

2050年カーボンニュートラルを目指す日本にとって、 住宅の脱炭素化は避けて通れないテーマ になりました。

 

■ 大手企業はすでに動き始めている

大東建託は、2030年までに 全ての賃貸住宅でLCCO2算定を実施 すると発表しました。 規格化された賃貸アパートを主力とする同社は、建材の種類や数量が固定されているため、算定を効率化できる強みがあります。

また、住友林業はフィンランド発の算定ツール 「One Click LCA」 の日本代理店として普及を後押し。 ゼネコン各社も独自ツールを開発し、建物の計画段階からCO2排出量を把握できるようにしています。

さらに、

  • LIXIL

  • YKK AP

などの建材メーカーは、アルミサッシのリサイクル材比率を引き上げるなど、製造段階のCO2削減を進めています。

 

■ LCAは「企業の競争力」に直結する時代へ

東証プライム上場企業では、サステナビリティ情報の開示が義務化され、 時価総額3兆円以上の企業は 2027年3月期からスコープ3の開示が必須 になります。

つまり、 建物のCO2排出量は、投資判断や不動産価値に影響する指標になる ということです。

すでに国内デベロッパーでは、 「取引先にLCCO2データの提出を求める」 という動きが広がっています。

対応が遅れれば、 受注機会を逃す可能性すらある という厳しい時代に入りました。

 

■ しかし課題もある——「算定して終わり」にならないか

現状、LCAは算定義務化が進む一方で、 排出量の上限規制は未定 のままです。

ある大手ハウスメーカーは、 「算定しても削減につながらなければ徒労に終わる」 と不安を漏らしています。

欧州ではすでに上限規制が導入されており、 日本も制度設計を急ぐ必要があります。

また、算定ツールの基準が統一されておらず、 企業ごとに算定範囲が異なるという課題もあります。

 

■ エイチエスホームはどう向き合うのか

私たちが大切にしている「レジリエンスな暮らし」は、 これまで 災害に強い家づくり を中心に進化してきました。

しかし今後は、 環境に強い家づくり=脱炭素レジリエンス が新たな柱になります。

エイチエスホームが取り組むべき方向性

  • 建材の選定段階からCO2排出量を意識する

  • 長寿命化・メンテナンス性の高い住宅を設計する

  • 太陽光・蓄電池による自家消費型の暮らしを広げる

  • 地盤調査・耐震等級3で災害時の再建負荷を減らす

  • 将来的なLCA義務化に備え、データ管理体制を整える

住宅の価値は、 「災害に強い」から「環境に強い」へ 確実にシフトしています。

 

■ 最後に

建物のCO2排出量の見える化は、 住宅業界にとって大きな負担である一方、 未来の暮らしを守るための必然のステップ でもあります。

エイチエスホームは、 災害にも、環境変化にも、社会の要請にも強い “レジリエンスのある住まい” をこれからも追求していきます。